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成長したいけど、具体的な目標がない
採用の場面で「御社で成長したい」と訴える割に、「具体的にどの分野で、どのように成長したいのか」と聞かれると、言葉に詰まるゆとり世代もいるようです。
それを聞いた面接官や上司は、具体的にどのような人材になってくれるのだろうか、という将来像が見えないために、熱意が感じられない、計画的に考えることができないのではないかと考えてしまうのです。
このような発言の裏には、2つの理由が考えられます。
1つは、就職する理由が、経済的な基盤を安定させるためだとか、社会的な身分を得るためだとかの現実的な理由しかなく、会社の上司にそのまま正直に話すことがためらわれたからだということが考えられます。
2つ目は、具体的にどのような成長をしたいのかわからないことが考えられます。
これは、将来に対する漠然とした不安を払しょくするには、何か成長しなくてはいけないという焦りが生んだものです。
ゆとり世代が生まれた1990年代初頭には、バブル経済のような好景気は過ぎ去り、経験していないために、生まれたころから周囲の大人が不景気だという雰囲気の中で育ったことが関係しています。
長い間にわたって、将来に対する漠然とした不安が脳裏に染みついているため、何か状況を変えるための一手を打たなくてはいけないと思いつつも、具体的にどのような手段をとるべきなのかがわからないために、焦るばかりで、成長といっても具体的な目標があるわけではないようです。